静岡市が次に行われる市議会議員選挙で、高校生に事務のアルバイトをさせようとしているようだ。近い将来の有権者に選挙に関心を持ってもらうと共に、生徒の家族にも投票してもらうのが狙いだとか。高校生なら春休みは暇だし、誰にでもできる仕事だからいい試みかもね。自分は2007年の参議院議員選挙で事務のアルバイトを一度だけしたことがあるので、参考までに。
投票日は7月末で、大学のアルバイト紹介サイトに募集が出たのが5月の中旬頃。その後も、いったん消えてはまた出現、を繰り返して6月半ばまで募集していたから、あまり人気ではなかったようだ。
応募書類(確か履歴書だったと思う)を送ると、しばらくして採用のはがきが来る。採用後、6月の半ばにいったん市役所に集められて、業務内容の説明と投票用紙を出す機械の実習などの説明が行われる。機械の操作と言っても、ボタンを押せば用紙が一枚出てくるだけで何も難しいことは無い。国政選挙だと比例と選挙区の二種類を1枚ずつ渡す必要があるので、それさえ間違えなければ。
投票日前日の午後に、担当の投票所で設営作業を行う。自分の担当した会場は幼稚園だった。作業内容としては、
・土足で入れるように床にマットを敷いてテープで固定
・壁の掲示物などを撤去、もしくは紙で隠す。投票する人の気が散らないように?
・投票用紙の記入所、投票箱、立会人の席などの設置
まあ、これも何も難しいことは無い。
投票日当日は、投票開始の8時には態勢を整えていなければならないので、朝が早い。確か6時半だったか。遅刻しそうになって早朝に自転車で疾走していたら警官に職務質問された。今思うと、確かに相当怪しかった。
投票が始まってからは、
・来た有権者のハガキを確認
・ボタンを押して機械から比例と選挙区の投票用紙を出し、有権者に手渡しする
を繰り返す。
最初は物珍しいし、国政選挙に携わるということで緊張もするが、すぐに飽きてだんだん眠くなってくる。
朝が非常に早くて眠いし、責任重大とは言ってもやること自体は単純作業だから無理はないですな。選管もそれを見越してか、一時間作業するごとに一時間控え室で休憩を入れるという、かなりゆるい労働条件になっていた。
控え室には多様な菓子が山積みにされて食べ放題、昼食と夕食も金額に上限はあるものの、出前で好きなものを頼める。自分は昼食に散らし寿司、夕食には中華丼?を注文。民間だと食事は出ないのが普通で、出るとしてもコストの最重要視したものなのに、さすが公的機関は違う。
会場では選挙管理委員会の職員4~5人、アルバイト4人程度という構成だったが、選挙管理委員会の人も良い人ばかりで控え室で選挙談義に花が咲いた。時々ケータイで投票率をチェックして見たり、雨が降り出すと出足が鈍るんではないかと心配したり。
8時に投票が終わると、設備の類を全て撤去して投票所を元の状態に復元し、開票所へ移動する。開票作業も最初の少しは手伝うのだが、10時過ぎくらいでバイトは給料をもらって解散になる。開票所の机であの党の名前の書かれた投票用紙がずらっと並んでるのを見たときは、日本の政治が大きく変わると思ったんだが・・・。結局全て終わって自宅に帰った時には日付が変わっていた。一日の労働時間16時間というのは今でも破られない最長記録だ。
やる仕事の内容は恐ろしくつまらない単純作業なのに、嫌な思い出が全く無く満足度が非常に高いという珍しいバイトだった。初めて参加した選挙だったってのも大きかったのだろう。次の衆議院議員選挙がいつになるかは不透明だが、日程が合えばぜひ参加したいものだ
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