BBC聴いてたら「Tokyo correspondent」とか言ってるのが聞こえたので、聞き流すんではなくて注意して聴いてみたら日本の「世間体」とか「体裁」とかに関するレポートだった。
レポートはまず結婚式に家族や同僚・上司の「代行」を派遣する「レンタル家族サービス」の話から。新郎氏は両親がすでに亡くなっていてしばらく前に退職していて同僚や上司の出席者もいないため、本物の親友二人を除き両親・姉妹・同僚・上司など30人ほどをこのサービスに派遣してもらったという。式での上司のスピーチも、新郎自ら作ったものだとか。新郎氏によれば新婦の両親は非常に保守的な考えの持ち主で、自分がそういう境遇にあるとは言い出せなかったという。
続いて、このサービス会社の社長と、「新郎の妹」を演じたスタッフの一人へのインタビュー。二人ともこのサービスを純粋にビジネスとしては考えておらず、人助けだと思ってやっていると。新婦をだましたことに対して罪悪感も感じるが、新郎のためを思ってやったことなのでと。
話が少し一般化して、日本の「体裁」とか「世間体」についての解説へ。非常に細かい部分まで「型」にのっとった所作が要求される相撲を引き合いに出して、日本の社会も相撲のようにある種の型に従って行動することが要求されていると解説する。しかし、そうした「体裁」を満たすことは晩婚化であったり非正規雇用の増加といった社会の変化によって非常に負担の大きいものになっているという。そうした負担が、先進国の中でも非常に多い自殺や、「引きこもり」の増加といった極端な形で現れている、とインタビューを受けて大学教授は語る。
そして、結びとして「こんな現象が見られるのは、たぶんこれを聴いているあなたの国も含め、全世界で日本だけでしょうね。こういう人間関係までビジネスにしてしまうとは、何ともクレイジーな話だ」と。
一日本人として、結婚式をやるのに片方の来賓がゼロか数人だと「体裁」が悪いというのは理解できる。自分が出席した結婚式でもしそういう状況だったらなんやかんやと噂するだろうし。ただ、最近だと金を払って「代行」をそろえるんでなくて、そもそも式をやらずに届だけで済ましてしまうう人も割といるんでは無かろうかと。今は過渡期なので二極化してるのかもしれんが、そのうち時代に合わない「体裁」は消えていくんではなかろうか。個人的にもぜひそうなってほしいと思う。
番組で紹介されていたレンタル家族サービス「励まし隊」のホームページはこちら
BBCの元の番組はこちら 2011/7/22まで聴取可能
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