2009年5月6日水曜日

昭和13年発行「南知多案内」(10) 内海その1 紹介文+小唄+山海

 南知多内海は南知多第一の都邑であって、商工業も盛んである、地形としては北に半島第一の高山秋葉山を?ひ前は伊勢湾に面し、海岸は文字通りの白砂青松であつて水清く長汀曲浦千鳥ヶ濱礫浦とを控へ天下に冠たる海水浴場をしてその名を天下に知らしめてゐる、東方に礫浦の景観あり、伝説によればその昔天照大神が伊勢からおたわむれに投げさせられたと伝えている、最近国家君が代の「さヾれ石」はこの岩なりと疑問符がかけられて学術的には二億万年前のものたると云われ有名である、西の世界一サンドスキー場は微粒の白砂の丘であって断然サンドスポーツとして世界に君臨してゐる、尚いつでもスキーの快味があじわへるのでスキーヤーをして喜ばしてゐる、

 又春より夏から秋にかけて内海の沖は魚釣の本場として知られキス、コチ、カレー、ズイ釣で各地より殺到たるものがある、先年内海鉱泉の発見によつて名古屋を始め関西方面より観光地と温泉で相当の賑ひを見せて内海温泉も活況を呈し旅館、バスの不足を生じたる盛況振りで町商工会も遊覧客吸収に大童で宣伝に乗り出してゐる

▼交通 武豊駅より三十五分、名鉄電車河和駅より十五分常滑より四十五分にて達せらる、名鉄神宮前より河和経由内海迄電車バス連絡片道一円〇四銭である

▼旅館 内海館、南洲ホテル、清潮館、風月、港館、大徳楼、丁子屋、かしわや、つぶて館等で宿料は一円より五円で滞在のお客様は特に勉強してゐる

▼産物 味噌溜を始め内海蜜柑、清酒として富よし、引風の妙薬橋本七度煎、名物としてつぶて餅、つぶておこし、生せんべい、太もづく、海老の素、最近売り出しの内海鉱泉せんべい等があり何れも好評を博してゐる

山海海岸

 南知多内海の東方二キロの地点内海からバスで十分にて山海海岸につく、こゝは処女的海水浴場で砂白く水清く実に理想的の海水浴場である、附近には岩屋観音がある、同寺は弘法大師の修行場として有名ばかりでなく宋版一切経五千九百十巻が完備の儘蔵に納つてゐる、発見者は徳富蘇峰氏であって同氏の紹介で斯界の権威者小野玄妙博士が来内調査を進め立派な折り紙をつけ国宝審査会に報告したるをもつて近く国宝に指定も近きであろう

内海サンドスキー小唄

一

アー 

尾張内海富士ヨ (ドツコイショ) 名の出たところ

  サンドスキーじゃ ヤンレ サンドスキーじゃ世界一

                             (ハヨイトハヨイト スイスイ)

二

アー

内海白山よヨ (ドツコイショ) 乙女の肌よ

   乙女可愛や ヤンレ 花の笑顔でサンドスキー

                            (ハヨイトハヨイト スイスイ)

三

アー

ゆこよ白山ヨ (ドツコイショ) すべろよ若人

   花の笑顔で ヤンレ スキーしましよと眼で誘ふ

                             (ハヨイトハヨイト スイスイ)

内海音頭(二上がり)

一

尾張内海は コラサ 南知多で名所

  春にや山寺花見にお出や 櫻ねヨイヨイ

櫻見よとてさゝよいきげん ヨイトヤ ハアヨイヨイ

  きげん上戸の桜色かね

      ヨーイヨイヨイ     チンチリガンノヨンヤサ

二

尾張内海は コラサ 南知多で名所

  夏にや白浜海水浴にお出や 濱はねヨイヨイ

濱は白いになぜ君や黒い ヨイトサ ハアヨイヨイ

  色も深けりゃ情も深いよ

      ヨーイヨイヨイ     チンチリガンノヨンヤサ

内海温泉小唄

一

内海温泉 トロリトセ

     さそう春風 櫻谷

   流す浮名は夫婦風呂 ・ソリャ・

        トントセトロリコ花吹雪花吹雪

二

色氣かざりはトロリトセ

     はでな水着の玉の肌

   ぬれて色ます 紅模様 ・ソリャ・

       トントントロリコ波しぐれ波しぐれ

三

サンドスキーでトロリトセ

    鈴鹿おろしの 濱風に

  描くボーゲン砂の恋 ・ソリャ・

      トントントロリコ飛ぶかもめ飛ぶかもめ

四

おぼろ湯けむり トロリトセ

    なさけ千鳥の泣く窓に

  月もかくれて夜が更ける ・ソリャ・

      トントントロリコ置ごたつ置ごたつ

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 内海長いですな。「世界一」のサンドスキー場が出来て温泉も新しく発見されて、これから大いに観光地として栄えていこうというところか。「つぶて餅」やら「鉱泉せんべい」やら名前以外には土地と特に関係ないみやげ物を用意するところは現代と変わらない。

 温泉は今でも問題なく湧いているが、サンドスキー場は戦争の影響もあって昭和中盤で廃業、跡形も無くなってしまった。温暖化が騒がれている今だったらそれなりに需要も見込めたかもしれないのに残念なことだ。サンドスキー場に関してはこちらのサイトが非常に詳しい。知多半島のほかのスポットについても、現地踏査をして非常に丁寧に詳しく取材されている。   →underzero>>知多半島特集

 みやげ物で挙げられているうち、ミカンはグリーンバレーなんていう施設があるが、他の菓子類はよく分からない。生せんべいはむしろ半田名物では?それに、波まくらが載っていないのはなんでだろう。広告代を出し渋った?

「第一の都邑」だけあって広告・写真もけっこうあるので、それは(2)以降で

ミカン狩り→南知多グリーンバレー

日帰り温泉白砂の湯

「波まくら本舗」桜米軒

知多銘菓生せんべい 総本家田中屋(半田市)