2009年10月22日木曜日

日本の「貧困率」が15.7%?

 新聞・テレビがいっせいにこのニュースを報道していたが・・・
 今回のは「相対的貧困率」で、所得が全国民の中央値の半分に満たない人の割合であって、15.7%の人が「貧困」であるかをあらわしたものでは無いはずなのに、各社「国内の低所得者の割合」とか「国民の貧困層の割合を示す指標とか・・・。
 中でも、東京新聞の「全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す」とか、FNNの「全国民の中で生活に苦しむ人がどれだけいるかを示す」なんていう解説は、明らかに特定の方向への誘導を狙ってないか?もしかして用語の定義を本当に分かってなくてそういう指標だと思ってるのかもしれないが、どっちにしてもどうしようもないことには違いない。まあ「貧困」ていう言葉にかなりのインパクトがあるし、それに続けて「生活に苦しむ母子家庭」と「改善を訴えるNPO」の話をくっつければ誰でも素晴らしそうな記事が作れますから。
 
 この発表を理解する上で最も参考になったのがこちらのブログ
「相対的貧困率」について色々と考えてみる……(1)発表データのグラフ化と二つの貧困率
 
詳しさ・正確性・速報性のいずれもマスコミの完敗と。日本に「格差」や「貧困」の問題が存在しないなどというつもりは無いが、それを解決するには正確なデータに基づく現状の理解があってこそ。