2009年10月20日火曜日

戸塚ヨットスクールで18歳女性が自殺

 国道沿いの建物にヨットの絵が描いてあるので、実家にいる時はよく見かける。絵がかなり色あせてたのでもう廃業して過去の遺物になってるかと思ったら、まだやってたのか。ホームページとかもできてるし。
 
戸塚ヨットスクールホームページ
 
 「不登校や不良を大自然の中での厳しいトレーニングで叩きなおし、立派な人間へと更生させる」というのは、普段そういう種類の子供に手を焼いている大人たちに受けそうなストーリーではある。さらに「脳幹」がどうとか科学的な香りのする文句も散りばめられているし、厄介払いという気分も混じりつつ預けてみたいと言うのが出てきても不思議ではない。自分はただの大学生で親ではないが、町で「不良」の行動を見るとそういう気分に傾いたりする。
 
 しかし、やはり強制収容所的なところに押し込めて強制労働的なものをさせるというのが問題の根治につながるとは思えん。もし校長以下コーチ陣が心から少年達のことを思う熱意あふれる人だったとしても、嫌がるのを無理にやらせるというのを毎日繰り返していれば次第に好ましくない方向への変化が発生するのは避けられないだろう。スタンフォード監獄実験の実地試験といえるかもしれない。アクトンの「権力は腐敗する、専制的権力は徹底的に腐敗する」を持ち出すまでも無いか。
 
 このヨットスクール、「大自然の中で」とはいうものの所在地は上記のようにかなり車の通る国道沿いにある。南に行けば3分もせずに名鉄・知多バスの河和駅に着く。名鉄は5時~22時まで概ね15分に1本くらい電車が出てるし、駅前ロータリーにはタクシーも常駐してる。都心並みとは言わないが、交通が不便なところでもない。そういうところで嫌がる少年を1ヶ月間合宿させて指導させるというのだから、やはりスクールに留めておくためには相応の手段を使うことになるのだろうな。