2009年7月15日水曜日

天文学の疑似科学

著者はアメリカの天文学者で、天文学の分野での疑似科学を暴く Badastronomy.com というサイトも持っている。ラジオなんかにも出演してるらしい。

本の内容は、季節の移り変わり・月の満ち欠け・潮汐に関する誤解を解くところから始まり、占星術・「アポロ計画陰謀論」・UFOなどの欺瞞を次々と暴いていく。最後には、ハリウッド映画に登場する宇宙のシーンの間違いに関しても。

月の満ち欠けについては恥ずかしながらはっきりと理解していなかったが、この本の説明でよく分かった。「なぜ空は青いのか」についても全ては理解できなかったが、まあ大まかな仕組みについてはのみこめた。

アポロ陰謀説はそのいくつかをおぼろげに知っていて、もしかしたら一理あるかもと思っていたが、もうそういう妄言に騙されずにすみそうだ。

 全体としては面白いのだが、アメリカで出版されただけに日本にはなじみの無い話題も少なからずある。

「春分の日には卵が直立する」

「コリオリ効果とバスタブ」

「ヴェリコフスキーの宇宙説」

「星の命名権を売る会社」

などは、この本で初めて知った。

あと、「天地創造説と天文学」に関しては、アメリカでそういう論争がいまだにあることは知っているけど、日本でその種の論争が起こることはまず無いだろうな。

「アメリカで流布している疑似科学の基礎知識を得る」ということで読んでも良いかもしれないが、日本でなじみのない説についての部分は割愛しても良かったかもな