南知多豊浜は天下の名港として知らる、湾内は非常に工合のよい港となってゐて大小帆船汽船の安息所である、この村は大半漁業に従事して年産漁業水揚高数十万円にのぼり漁村として有名である。
この村に曹洞宗の巨刹として正衆寺がある、同寺境内の眺望のよい高丘に毘沙門天が奉安され團体客でよく賑ふ東方へ二軒の処に小左という小邑あり、自然の入江を区画して養魚場がある、延壽の龍亀霊場小佐浄土寺がある、昔から小佐薬師として知られ参詣者で人絶へず、
なほ同村中州に知多新四国八十八箇所第四十番札所影向寺があり子安慶讃講本部があり参詣者でよく賑ふ
▼交通 省線武豊駅よりバス五十分名鉄電車河和駅よりバス二十分
▼旅館 大栄館、東西屋、料理店として入船食堂、三河屋等で宿料一円、一円二十銭、一円五十銭、二円である
豊浜音頭
豊浜よいとこ波をうけて ヨイトヨイトサノサ
大波小波が どんどとよせる 春にやねサノサ
沖はアリヤセ大漁の コリヤサ旗印
アリヤセ コリヤセ ヨイヨイ
---------------------------------------------------------------
南知多豊浜漁港
豊かに魚が獲れる浜だから豊浜になったのだろうか。今は魚ひろばという産地直売市場ができてなかなかの繁栄ぶり >>>豊浜魚ひろば
もう一つ豊浜名物といえば鯛まつりのはずだが、この本には載っていない。
豊浜商工会のホームページによれば今の形になったには昭和になってからということなので、このときにはまだそれほど有名ではなかったのか
|