「WAVE出版」という聞いたことない出版者だったのでどんなもんかと思っていたが、非常に面白かった。
「本書では、鉄道の通っている地域の自然環境、社会環境、あるいはそこに住む人々で構成されている地域社会との関連で鉄道の果たしている役割の説明に焦点を置いている。このような考え方は鉄道を理解する上で大切な見方なのであるが、少なくとも日本では、これまで「鉄道の地理学」を表題に掲げてまとめられた内容の本はなく、本書をもって最初とする」(「はじめに」より引用)
確かに、今鉄道ブームだとは言っても、
「日本全国鉄道のりつぶしの旅」とか、
「知られざる秘境駅の数々」とか、
「鉄道写真絶景ポイント100」とか、
趣味的な要素が非常に強い本ばかりですからな。そういうことで鉄道の旅を楽しむのが悪いということは全く無いが、単に乗ったり撮ったりするだけではなくて、鉄道の社会的な役割について知識を深めるといっそう楽しめるようになるかもしれない。
日本の鉄道の歴史、世界各国での国鉄改革、気候・地形・海や川と鉄道の関係、地方ローカル線の現状、貨物鉄道の歴史、新幹線、などなどどの章も興味深い内容で数多くの新知識が得られた。自分はそこまで熱心ではない「乗り鉄」の部類に入るかと思うが、これからは鉄道の旅をより深く楽しめそうな気がする
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